こわさないのが一番! 故障防止策

水濡れ・水没による損壊

2018年02月06日 17時50分

 iPhone 7およびiPhone 7 plus以降、iPhoneは耐水性を持つようになっています。国際規格で「IP67」とされ、「水深1メートルで30分浸かっていても問題ない」レベルの耐水性です。ちなみに同規格の最高レベルは「IP68」で、これは「潜水(継続的な水没)」でも浸水から保護されるという性能。ということは、iPhone 7以降の耐水性は「完全防水」とまでは言えないレベルということになります。
 さらに、同規格は「常温の真水」に対する防水を保証していますが、温水や冷水、塩水に対しては保証していません。
 ですから、耐水性のあるiPhoneといえども、基本的には「水濡れ・水没は避けるべき」といえます。
 
原因
 水濡れ、水没の原因は、「落下」のそれに準じるものが多くなっています。つまり、キッチンや洗面所、トイレ、プール、海辺、湖畔など、水がある場所で「うっかり落としてしまう」ことによるアクシデントが多いということです。
このほかに、水濡れの場合はお茶、コーヒー、ジュースといった飲み物をこぼしてしまうという原因も加わります。
 
■対策

 「落下」に準じる原因に対する対策は「6.1.」を見ていただくとして、「飲み物をこぼす」という問題に対する対策を検討しましょう。
 
A. そもそも濡れないようにする
 ・スマートフォン周辺を飲食禁止とする。
 ・飲み物にはふたのついた容器を使う。
 ・スマートフォンは飲み物を置く面より高い位置に置くようにする。
 ・スマートフォンと飲み物を離して置くようにする。
 
B. こぼしても本体が濡れないようにする
 ・防水ケースに入れる。
 ・ジップロックに入れる。
 ・業者に依頼してナノレベルの粒子をコーティングしてもらう。
 
 フェイル・セーフのB案は、ほぼ「防水ケース」一択でしょう。当然のことながら、デバイス全体を完全にカバーするタイプでなければ意味がありません。最近は、耐衝撃性も兼ね備えていて、IP68レベルの耐水性をも持っているケースも販売されています。ぜひ導入を検討なさってください。
 
 三番目に挙げた「ナノレベルの粒子をコーティングしてもらう」というのは最近になって現れてきたオプションです。「ナノ」というのは10億分の1で、つまり10億分の1メートルという非常に小さな粒子でデバイスのすき間を埋めて防水するという発想です。ケースに入れるのとはちがって、デバイスのもともとの見た目を変えずに防水対策ができるので、iPhoneのスタイリッシュなデザインをケースで損ないたくないというファッション性重視のユーザーには向いているでしょう。
 「業者に依頼」と書きましたが、缶入りスプレーの製品形態で、自分で買ってきて吹き付けてコーティングできる製品もあることはあります。しかし、プロが施術するコーティングに比べるとやはり性能は一段劣るようなので、どうせやるならプロに頼んだ方がいいでしょう。
 ただし、この対策にも弱点があって、ナノ粒子コーティングはしばらく月日が経過するとはがれ落ちてしまいます。コーティングをしたことでデバイスの見た目が変化しなかったということは、逆にコーティングがはがれ落ちても見た目に変化がないということでもあり、いつの間にか防水性能が低下していることになかなか気付きにくいという問題もあります。ですから、この対策法を採用するなら、定期的にコーティングを繰り返すように心がけなければなりません。
 それからもちろん、ナノ粒子コーティングは落下による衝撃に対しては無力です。
 こうした点から考えると、やはり防水ケース一択でしょうか。
 
 なお、防水型のiPhoneでも、
・水中でタッチパネルの操作はできない。
・コネクターが濡れている間は充電してはいけない。

といった注意点があります。
 また、電源につながったLightningケーブルのプラグ(さし込む先端部)が濡れていると、電気が流れて金属部がさびてしまいます。トラブルの元ですから、これにも気をつけてください。